「フィトケミカル」ってすごい!
フィトケミカルは野菜や果物など食べ物に含まれる抗酸化作用
に優れた成分で、免疫力アップやがん予防、アンチエイジングなど
健康や美容への効果が期待される、第7の栄養素なのです。
どんな食べ物に多く含まれているのでしょうか?
また効率よく摂取する方法も併せてご紹介します。
目次
フィトケミカルって何?
フィトケミカルは植物が持つ化学物質のことで、強い紫外線や
害虫から自身を守るため作り出された色や苦み、辛み、ねばねば成分
などのことです。
必須栄養素ではないのですが、その優れた抗酸化作用からがんなど
様々な病気の予防や免疫力アップ、老化防止(若返り)、健康維持
など多方面で役立つ重要な成分ということで、注目を集めています。
フィトケミカル?ファイトケミカルどっちなの?
フィトケミカルは「ファイトケミカル」とも呼ばれることがあります。
どちらが正しいのでしょうか?
実はどちらも同じで、どちらも正しい呼び方です。
ちなみに「フィト」はギリシャ語で「植物」の意味、
ケミカルは「化学物質」です。
「ファイト」は戦うという意味の「Fight」とは全く異なり、
英語で植物を意味する「Phyto」のことです。
こんなにあるフィトケミカルの種類
フィトケミカルの種類は約1,500種とも、一説には1万種もある
ともいわれています。
1つの野菜や果物でも、複数フィトケミカルを持っているもの
もあります。
その中でも身近な食べ物に含まれる、よく知られたフィトケミカルは
大きく下記のように分けられます。
ポリフェノール | 抗酸化作用を持つフィトケミカルの代表格。
ポリフェノールはさらに、アントシアニン、カテキン、 クロロゲン酸などに分けられる。 |
---|---|
カロテノイド | 赤や黄色、緑などの天然色素成分。
さらにカロテン類とキサントフィル類に分けられる。 |
含硫化合物 | 硫黄化合物とも呼ばれ、刺激臭や辛み成分などに含まれる。 |
テルペノイド | 柑橘類やハーブ類の独特の香りや苦み成分。 |
その他(βグルカン) | きのこや酵母などに含まれる多糖類。食物繊維の一種でもある。 |
ポリフェノール
ポリフェノールはフィトケミカルのまさに代表的な存在。
ポリフェノールは、植物が光合成をおこなう際できる物質です。
活性酸素を除去し、体内のさびの原因となる「酸化物質」を減らす
働きがあります。
水に溶けやすく吸収されやすいため、ポリフェノールが持つ抗酸化作用を
利用しない手はありません。
アントシアニン | アントシアニンは植物が強い紫外線から自身を守るために蓄える青紫」の色素です。
ブルーベリーやナス、紫イモなどが代表的なものです。 目の健康維持に役立つとして、サプリメントでもよく知られています。 |
---|---|
カテキン | カテキンと言えば「茶カテキン」が良く知られています。
カテキンは緑茶などお茶に含まれる苦み成分で 「タンニン」とも呼ばれます。 その他、リングやサクランボ、ブドウ、ナシなど果物にも含まれています。 |
クロロゲン酸 | クロロゲン酸はコーヒーやじゃがいもなどに含まれる
ポリフェノールの一種です。
ナスやブロッコリー、人参、レタス、白菜、キャベツ、 トマトなどの野菜にも含まれているほか、 さくらんぼやナシ、桃などの果実にも多く含まれています。 |
カロテノイド
カロテノイドは主に、野菜や果物などの植物に存在する赤や黄色、
橙色の脂溶性の色素です。
別名「カロチノイド」とも呼ばれます。
カロテノイドを含むのは植物だけでなく、サケやエビなどの赤い色素も
カロテノイドの一種「アスタキサンチン」です。
抗酸化作用に優れ、活性酸素を除去し目や皮膚を紫外線から守るほか、
老化防止やがんの予防などの効果も期待されています。
カロテノイドは、カロテン類とキサントフィル類に分けられます。
カロテン類 | ニンジンやカボチャ、ホウレンソウなどの緑黄色野菜には、
α-カロテン、β-カロテン、ルテイン、ゼアキサンチンなどの カロテン類が多く含まれています。
またみかんやオレンジ、柿はカロテン類が多く含む果物です。
他にもトマトやスイカに含まれるリコピンもカロテン類の 仲間です。
またわかめやひじきなどの海藻にも、カロテンが多く含まれ ています。 |
---|---|
キサントフィル類 | キサントフィルを多く含む野菜の代表が赤いパプリカで、7種類ものキサントフィルを含んでいます。
他にも赤唐辛子や、アスタキサンチンを多く含むサケや海老、かに、いくらなどが挙げられます。 |
含硫化合物
「含硫化合物(がんりゅうかごうぶつ)」というと堅苦しい呼び方ですが、
硫黄を含む化合物の総称として別名「イオウ化合物」ともいわれます。
ニンニクやネギ、ニラなどユリ科の植物や、
大根やワサビなどアブラナ科の植物に多く含まれており、辛みや強い刺激臭
が大きな特長です。
抗酸化作用が強く、殺菌作用に優れているほか、がんの予防にも効果が
期待されています。
また滋養強壮やスタミナアップにも利用される食べ物です。
最近では、ブロッコリーや小松菜などのアブラナ科の植物にも「超硫黄分子」が
多く含まれていることがわかっています。
テルペン類
テルペン類は、かんきつ類やハーブなどに含まれる成分です。
強い香りや苦みが特長です。
テルペン類には、
リモネン、ジペルテン、メントールなどの種類があります。
リモネン | 柑橘類の皮に含まれる成分。免疫力アップやがん予防、
消化吸収をサポートする働きなどがあります。 ちなみにリモネンには、油汚れを浮かして溶かす働きもあります。 |
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ジペルテン | しそやロースマリーやセージなど、主にシソ科のハーブに
含まれる成分です。 |
メントール | はっか(ミント)独特の清涼感のある香りも、
フィトケミカルの仲間です。 ちなみに樟脳(カンファー)の香りもテルペン類に入ります。 アロマなどにも使われるメントールは、精神的なリラックス 効果をもたらしてくれます。 |
βグルカン
βグルカンは、シイタケやキクラゲ、なめこなどのきのこ類に多く
含まれています。
ずばり免疫機能の活性化させる働きがあり、抗がん作用があることから、
椎茸に含まれる「レンチナン」という成分は、抗がん剤にも利用されて
いるほどです。
βグルカンはきのこ類だけではなく、酵母や大麦やもち麦などの穀物類や、
昆布やわかめ、コンブ類のあらめなどの海藻にも多く含まれます。
フィトケミカルを上手に摂る方法
たくさんの種類があり、いろいろな食べ物に含まれるフィトケミカルですが、
上手に効率よく摂る方法をご紹介します。
それは「色」を組み合わせること、
そして「スープにして食べる」ことです。
です。
カラフルに組み合わせる
フィトケミカルを見ていくと、「色」に特徴があることがわかります。
例えば、
ポリフェノール ⇒ 青紫色
βカロテン ⇒ 黄色、赤、橙色
含硫化合物 ⇒ 白
βグルカン ⇒ 黒
などです。
よって食事を準備する際は、なるべく彩り良く食材を組みわせると
フィトケミカルをうまく摂ることができます。
バランスの良い食事というのは、フィトケミカルの色の面からいっても
理にかなっていると思います。
もう少し具体的に言うと、
青紫色の「なす」とオレンジ色の「にんじん」、
緑色の「小松菜」を使って肉野菜炒め、
白の「大根」と黒の「わかめ」で味噌汁
これでフィトケミカルが手軽に取れます。
スープにする
野菜に含まれるフィトケミカルを余すことなく摂るには、
「スープ」が断然おすすめです。
作り方はとても簡単で、ニンジンやカボチャ、玉ねぎ、じゃがいも、
ブロッコリー、きのこなどの野菜をコンソメスープの素に表示通りの水
を加えて煮るだけです。
(コンソメスープの素は、1本4.5gに対し水は300ml)
スープの上澄みに含まれるフィトケミカルは、生野菜ジュースの10倍
~100倍にも上ります。
汁ごといただいて、フィトケミカルパワーをがっつり吸収しましょう!
まとめ
抗酸化作用に優れ、免疫力アップやがん予防、若返りなど、健康や美容
に効果が大いに期待されるフィトケミカル。
身近な野菜や果物、海藻、魚介類などに含まれているので、
毎日の食事で自然にフィトケミカルを摂っているかもしれません。
フィトケミカルは色によって種類が分かれている特徴があるので、
食事作りでは彩り良く食材を組み合わせたり、スープにして食べる
とフィトケミカルをうまく摂ることができるでしょう。
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