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店長日記

映画「万引き家族」疑似家族の食生活はかなり寂しい

2018年の第71回カンヌ映画祭で、実に21年ぶりにカンヌ最高賞「パルムドール賞」を受賞した、
是枝裕和監督の『万引き家族』。
先日フジテレビ系土曜プレミアムで、地上波初放送されました。

万引き家族は、祖母の年金と万引きによって生計を立てている一家の物語。
実は家族とは名ばかりで、はた目からは家族のように見える、幅広い年代の他人の集まりです。

そんな疑似家族の生活が、映画の中では丹念に描かれていてなかなか興味深いのです。
私は食事のシーン、食べるシーンが多くて、そんな日常風景にもこの疑似家族の裏側がなんとなく
透けて見えるような気がしました。

まず、家族が揃ってカップめんで夕食を取るシーンがあります。
炊きたてのご飯ではなく、かっぷめんです。
おかずには5個で300円(だったかな?)の、なじみのお肉屋さんで買ったコロッケ。
野菜のおかずはなかったと思います。

夏の昼下がり、雲行きが怪しくなり夕立ちが来そうな蒸し暑い午後、
安藤サクラさん演じる信代と、リリーフランキーさん演じる治が、そうめんをすするシーン。
これもそうめんに薬味のねぎを少し添えただけで、他のおかずはありません。

こんな食生活に、この家族は本当の家族ではなく、何かわけがあってつながっている他人の集まりである、
と言うことが表れているような気がします。

数少ない食器は一応水洗いして洗いものはするけれど、疑似家族の中でお母さん役の信代は料理はしない。
おばあちゃんの柴田ハツも、お姉ちゃんの亜紀も、お米を研ぐわけでもなく、野菜を切るわけでもなく。。

家族そろって食卓を囲んでいるけれど、食生活は寂しい…
家族同士うわべは仲が良くても、何かほんの些細なきっかけでその関係が徐々に崩れていく、
というのは、映画を見て物語が進むにつれ、よくわかると思います。

是枝監督の作品は、「そして父になる」「海街diary」「海よりもまだ深く」「三度目の殺人」など、
名作が多数ありますが、どの作品もそういえば食事のシーンや食べ物が印象的・象徴的に描かれていて、
食べ物好きな私としては、見ていてとても興味深く感じています。

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