映画「さよならくちびる」を見た感想を書きます。
小松菜奈演じる「レオ」と、門脇麦演じる「ハル」の女性アコースティックデュオ「ハルレオ」の物語で、
マネージャーの青年シマ(成田凌)と3人で、解散ツアーに旅立つところから話が始まります。
この映画の中で、登場人物たちが食べていたのが「カレー」です。
カレーを食べるシーンは2回あります。
1回目は、出会ってまだ日が浅いハルとレオが、ハルが住む安アパートで手作りしたカレーを食べるところ。
レオはおいしそうにハルが作ったカレーを口に運ぶのですが、急に泣き出してしまいます。
ハルの肩にもたれかかり、泣きじゃくるレオ。
そんなレオの頭をなでて慰めるハル。
どうやらレオは、家庭的にあまり恵まれ環境に育ったようです。
2回目のカレーのシーンは映画のラスト近くで、解散ツアーの最終地・函館に向かう前、弘前でのこと。
「ハルレオが解散したら、俺たちはもう他人同士、何の関係もなくなる。最後くらい飯でも3人一緒に食って終わろう」
というシマの提案で、客足の少ない昼間のドライブインで3人でカレーを食べたのでした。
カレーを食べながら、「ハルレオを解散したあとどうするか」ということを、3人がそれぞれ言い合うのですが、その時なぜかハルだけは解散後のことをなかなか口に出せず、言いそびれてしまいます。
これが映画のラストの、意外な結末に結びついているような気がします。
さて1回目と2回目のカレーは、同じカレーであってもちょっと違います。
1回目のカレーはハルが人参など野菜の皮をむき、「手作りしたカレー」。
2回目はドライブインで出された「外食のカレー」です。
手軽に作れてささっと食べられて、家庭的で温かくって誰にでも親しみやすい料理が「カレー」
なのではないでしょうか?
そんなカレーと言う料理を食べるシーンから、3人の性格や考え方、人間関係、それまでの半生など、いろいろな事柄に対して、観客が想像力を膨らませることができます。


